信州 匠の時計修理士とは

『信州 匠の時計修理士』は、長野県の『技能評価認定制度』における認定を受けた機械式時計の修理士の資格です。

機械式時計の修理技術は、町の時計修理職人の手により受け継がれてきましたが、水晶時計という技術革新によりこの技術の継承は非常に難しくなりました。

そこでこの資格は、人気の高まっている機械式腕時計に関する技術の向上と、長野県における高度な時計修理に関する技能の継承を目的に発案され、平成16年度から長野県時計宝飾眼鏡商業協同組合の主催で、セイコーエプソン株式会社、シチズン時計マニュファクチャリング株式会社の高度熟練技能士達の協力のもとに、『高度な機械式ウォッチの修理技術を持つ技術者を認定し、技術の普及と技能継承を図るもの』として行われています。

技能検定・技能認定・技能競技会との課題レベル比較

時計修理士技術者に求められている技は

  • 全ての時計が分解掃除できる。(機械式、水晶時計、デジタル時計、クロノグラフ)
  • 故障の修理が出来る(止まり、防水不良、バンド切れ、電池交換等)
  • 時間調整が出来る(機械時計の時間調整)
  • 外装周りの新品再生が出来る(バンドケース、裏蓋、ガラス等のキズの修復や磨き)

など、お客様が安心して修理を任せられるような技術力を身につける事が必要です。その為、信州 匠の時計修理士試験は特級・1級・2級・3級とレベルが分かれております。

各等級の資格者の技術技能の内容

特級全ての時計等の修復可能(時計職人として生業可能)
A級精密時間調整±10秒以内におさめ、5方向、最大姿勢差10秒以内におさめる。ヒゲぜんまいの修復が出来る
1級駆動関係に関わる破損した部品を作成し、腕時計の分解掃除が出来る。日差の時間調整±10秒以内におさめられる。(ほとんどの時計は修復でき、時計修理職人として生業可能)
2級駆動関係に関わる破損した部品を作成し、腕時計の分解掃除が出来る。日差の時間調整±30秒以内におさめられる。(時計職人として生業可能な知識と技能を有する)
3級部品の破損の無い腕時計の分解掃除が出来る。構造が理論的に理解でき、治工具の整備等が出来る。外装の新品再生ができる知識と技能を有する。(時計を扱う店頭において受付等のしごと可能)

令和5年度まで特級:24人、1級:50人、2級:79人、3級:131人、累計284名の資格取得者が誕生しています。